この仕事を始めたきっかけについて
ご質問を受けることがあります。

そもそも私が、「仲人」という役割について、
一番初めに認識したのは、
物心がついたころのことでした。

当時、東京の実家で同居していた祖母は
自宅で茶道を教えており、
多くの女性が出入りしていました。

そんなことを聞きつけて、
祖母のもとに、
いわゆる「仲人おばさん」と呼ばれる方々が
東京のみならず、地方からも集まり始め、
いつしか自宅は茶道教室兼、
仲人さんの「ハブ基地」としての役割を果たすことに
なっていきました。

祖母のもとには、「婚活中」の方々のプロフィールと
お見合い写真が山積みで、
その中から
仲人さん同士をつなぐのが
祖母の役目になりました。

「知らない人同志を結びつけ、その人たちが家族になる」
という光景は、子供の私にとっては不思議な、
でも、何故だかとてもわくわくする幸せな出来事でした。

そして、

時には自宅が「お見合い会場」になることもあり、
興味津々な私は、その「場」をこっそり覗いて
しかられたこともありました。

・・・時は過ぎ、

世話好きだった祖母のDNAを引き継いだ私が
この仕事にたずさわるようになったのは、
実はごく自然な事だったのかもしれません。

先日、

とても大きな胡蝶蘭が父のもとに届きました。
それは、以前祖母が仲を取り持ったというご夫婦から
「金婚式を迎えました」という感謝の気持ちで
(本来は祖母宛てに)送られたものでした。

祖母が他界して、すでに数十年が過ぎていますが、
ご縁をつないだ方々が金婚式を迎えられた、
という事実を実際に目の当たりにしたことは、
私にとって大きな励みです。

数十年、そして
次世代へ続くご縁を
つないで行きます。